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ドッペル原画展

暴力

カーテンレールに吊るして乾燥させてた花束が、不意に足元に落下した音で目が覚めた。頭から眠気が抜けていくほんの一瞬、足元に落ちた物は完璧に死体だと思っていた。夢との関係性でそういう寝惚け方をあえてしていた。私は、現実から聴こえるカラスの鳴き…

日記

( 1 )長い夢を見ている様だ。200頁の論文をA4用紙1枚に纏める事が強制になった春の水曜日から、思うように頭が動かなくなっていた。頭が思うように動かないと人間は何一つ自分の意思で行動が出来無い。脳は心であり、心は脳であるからだ。そもそも、心という…

季節

今年は何故か、夏は早く来て欲しいと感じる。「夏が早く来て欲しい」というより「夏は早く来るべきであるよね、今年に関しては」という気分。どうしてだろう、夏は嫌いなのに。一つ思い浮かぶのは、気管が洗われる様な涼しい部屋の中で、本を読んだり氷を食…

印象

私にも一応好きな空間というものが在る。それには人々が存在するべき場所としての空間と目に見えない存在としての空間の二種類があって、これからもっと種類は増えるかもしれない。 例えば私が好きな空間の一つは大学という場所だと思う。その空間の内側に在…

人魚

TVの中から聞こえる大きな歓声が苦手。 あの音は異常にうるさい、こちら側の安定をわざと掻き乱す様な悪意がある。こちら側が既に混乱している場合には更にその混乱を強めてくれる様な厚意もある。どちらにしても、TVの中から聞こえる大きな歓声の事が本当に…

嘲笑

私がゆっくり書き続けた文章の中に、 毎晩瞼を閉じる事が出来ない病人がいる。何時間か前にその病人が道端で倒れて病院に運ばれるのを見た。私はその時すごく悲しい気持ちだったのに、誰かと何年か前一緒に行った水族館の話をして無理矢理笑顔になっていた。…

真白

AB型RHマイナスっぽい人 そういう人は大体絵に描かれる様な現実離れした眩しい黄緑色を好んで、その色のコートや自転車を所有している事が多いです。悩ましいのは、その色を積極的に好む人の事を私はどうしようもなく好きになってしまうという事が決まってい…

寝室

誰の目にも留まる事の無い孤独 触れても壊れない孤独、強い孤独 生命力のある孤独、見られたい孤独 全部馬鹿にされてる恥ずかしい、命日を忘れた 大切だった事を忘れてしまえばそれはただの忘れられた記憶になって、他の忘れた記憶の重なりから取り出せなく…

救心

風に吹かれてふわりと浮かんだ物が真っ白で綺麗な鳥に見えた、こんなに汚い駅の汚い線路の上にこんなに綺麗な白鳥がいてそれでこんなに優しく飛ぼうとするなんて、近寄って見ると誰かに捨てられたただのゴミ袋だった ゴミ袋は乱暴に走ってきた電車に跳ねられ…

光國

遠藤周作の「海と毒薬」九州の病院でアメリカ人捕虜の生体解剖という忌まわしい事件を細部に描いていた。日本人がアメリカ人を捕虜にして解剖したという事件において、日本人のいかなる精神性、論理的な心理がどのように働きかけたのか、そして日本人とは一…

憂鬱

家を出てから駅までの道の事をもうずっと好きになれていない。長い直線、人とすれ違うと一瞬で不満感で頭が痛くなる。どうしてこんな風になるのだろうと考えれば考えるほど、早く親に「周りの親達を見ていても子供を育てるのが羨ましいとか、愛のある行為だ…

夜になると身体の奥から何かを掬い出すみたいに誰かの指がうねる その指がいつの間にか頭の中にまで届いて脳の中を掻き回すと、気分が悪くなっていく さしづめ気持ちの良い夜の中で眠りに落ちる 可笑しな化学物質が反応するまで、全部諦めて涙が出るまで、執…

奇病

時間という流れがなければ、僕は自分が少しずつ枯れていく事に恐怖を感じ、驚くかもしれない。規律のある徹底的な流れの中に存在しなければ、髪の毛が白くなっていったり、腰が曲がっていったり、皺が増えていく事に到底耐えられず、其の世から消え去りたい…

多々

髪の毛を切りに行くのが億劫で前髪は目にかかるようになった 陰った視界のせいでふとした時に何も思い出せないような、落ち着きのない自分が居る。視界が暗いと想像する事や妄想する事も難しくなった。一体あのバンドマンはどうやって思い出を思い出している…

日記

全てを見えない物に委ねるという行為は、余りにも諦めという感情に近く自分から最も遠い所にあった。遠くなればなる程心地よくなってしまい、私は全てを手放して全てを嫌いな誰かに押し付ける事だって出来そうな気分にもなれた。 見えない物に身を委ねる時に…

憑依

本当の僕について 息がしずらくなる程に部屋の隅々まで時間がありふれている時や、持て余した時間の中で何も出来ずただ変則的なリズムで息をしている間に僕の頭の中で繰り返し繰り返し問われ、空の色が濃くなった頃にはすっかり忘れている 本当の僕について…

調子が悪い一日だった 何かを食べると、自分が酷く過食している様な気がして身体の事を醜く感じたり、色々な物事を何一つ頑張りたくない気分になったりして、酷く疲れた色々な物事というのは、目の前に積み重なる押し付けられた義務 あるいは自ら望んだはず…

歯医

横になった途端に自分の身体は夜になる 明かりを塞ぐ瞼が時々痛んで、 長い器官を含めた文章が書けなくなった 思い出せばどうしても自分の事を許せない話ばかりが溢れていて気が遠くなる大きく開かされた口の中に迫ってくる知らない音楽が、奥歯のそのずっと…

乱歩

恐らくそれは気の迷いだった 遠くに在るコンビニエンスストアへ行く事を想像して歩いていると、突然目の前の電柱にぶつかって額から血が流れる それは誰かが落とした遺書もしくは結婚届あるいは離婚届を拾い勝手に何処かへ提出したふりをする事、提出するま…

ランドセルを掴まれると地面から足が離れて身体が宙に浮いた、掴まれたランドセルに自分の背中が引き寄せられるみたいにぴったりと張り付いたまま身体は何度も何度も何度も回って最後には地面に放り投げられた 宙に浮いたばかりだった足は空気を切った感覚を…

連絡

何を信じればいいのか分からない時に何かに向けて祈り願うことは時々自分の事を超えて予想も出来ない行動や言動を生み出してしまうことが在る、脳の意識が起こす予想外の生き方を第三者の目で観てしまうことも在るということを身を持って実感したと同時に、…

雑記

天国や地獄やリンボ 神様や仏様は人間が創りだした幻想で、 人魚もまたその幻想の一つ死んだら自分はリンボへ逝くと思う 死んだら魂は幻想に溶けて、 生まれ変わるために骨になりたいQ.魂という幻想は、 天国や地獄という幻想へ向かうのに 死ぬまでに過ごし…

模倣

市民は四角い箱を被っている 過去の視線はどこかに消えて 娯楽は恥になった僕は未だ恥を犯しながら人間の言葉が張り付いて、 眠れない夜を必死に守る言葉は無価値で全部不可欠 誰の言葉を借りても自由になれない天国に行きたくて 時々電車に乗る「天国は自由…

愉快

今年の春、一方通行の長くて広い道を 自分だけが一人逆走している風景を見る 逆走を辞められない事に恐れながらも 警察のいないその空間で 自分が捕まることは決して無かった「2015/4/14 正しい方向へ歩く人間が 自分の横を過ぎる時だけ スマートフォンから…

無題

自分の事が手に負えなくなってしまった 泣くために音楽を好きになった 誰の言葉を借りても自由になれないのは、自分以外のものから発せられた全てを、拒否して、拒絶して、嫌っていたからなのに、そうしてしまう自分が嫌になった新約聖書を読み始めた まるで…

幻覚

無理矢理に読んだ本が少しの不安に重なり、 文字が崩れて頭に散らかる 文で表された絵画が記号のように連なって、 清潔感の無い泡のようなものが脳を抜けて目から溢れている汚らわしい物からしか汚らわしい物は生まれない、 叫び声が聞こえて耳を塞いだ自分…

消去

アーメン

意識

脱水症状夏の死 壊れた画面の亀裂から見える生活 生活が落ちたら非現実が溢れた毎日調子が悪い 毎日が非現実に浮かんでいる自分という存在が 自分自身から勝手に遠くへ離れていく それは体内から血液が抜けていくのと同じ様で 街の中でも背筋が伸びた 遠くの…

反芻

「現実を良く見れば何一つ輝いているものがないのに何故其れは頭の中に長いこと居座っているのか」と思い、手首の皮膚を確かめる様に撫でる、撫でる度に頭が背後から抑えつけられながらも眼前から思い切りに殴られている様な感覚、持つ手は震えて感覚が鈍く…

幽閉

知らない旗に色を添えて僕らは国歌を歌った 街中に気高い意識が溢れると 毎晩のように明るい夜が訪れた喩えその気高い意識が 他人から盗んだものだとしても 僕らは明るい夜を謳歌する 毎晩のように息が苦しい朝、銃声に耳を澄ます 小鳥の囀りはいつでも煩く…

湯眼

誰もが皆お金を振りまいている 慈悲と慈愛の違いが分からない僕は 木の魚を食べて教会へ向かう誰もが皆お金をばら撒いていて、 僕は咄嗟に木の魚を食べる 急いで教会へ向かうと 君のタイムラインが壁一面に露呈されていて 床には僕のタイムラインが露呈され…

敬具

拝啓 夏の終わりを如何お過ごしでしょうか目眩がしそうな季節の移り変わりに貴方もそろそろ飽きてきた頃でしょうそれはそうと、どうしていつも貴方は貴方の扉を開いて右に曲がり、突き当りにある空色の扉を開こうとはしないのですか目眩がしそうな季節の移り…