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ドッペル原画展

雑記


天国や地獄やリンボ
神様や仏様は人間が創りだした幻想で、
人魚もまたその幻想の一つ

死んだら自分はリンボへ逝くと思う
死んだら魂は幻想に溶けて、
生まれ変わるために骨になりたい

Q.魂という幻想は、
天国や地獄という幻想へ向かうのに
死ぬまでに過ごしてきた時間という
真実 現実 事実は一体何処へ向かうのか

A.時間は海へ向かい、海に溶けて塩になる
元の場所へ戻ろうとする時間が、死体に逆らって鱗になる
幻想はその死体が持つ真実を食べる

とのことです 神様

生きていたらいつの間にか、
全てが幻想になった気がする
幻想が真実も時間も全部食べていく

自分が生きている此処が時々全部夢になる
自分以外の全員が夢の中の架空の登場人物でしかない、
もしくは今見ているのは自分ではない誰かの夢なのだと僅かに幸せな勘違いをする時がある 

「自分は常々
    夢の様な世界に包まれて生きる」

幻想に包まれたまま、海底の様に冷たくて大きな暗闇へ落ちて、ゆっくりと生きた時間が海に溶けて塩になっていく感覚を知る時、きっと自分は全ての時間を取り戻したいと願う

時間を取り戻したいと願う事が
死を想うという事ならば
メメント・モリと言う言葉は
どれだけ塩臭く、
どれだけ穏やかでないのだろう

どれだけの悲しみと幻想への怒り
知る由もない自分の骨への妄想が
もう決して膨らまない肺と一緒に
どれだけ溶けるのか見てみたい

戦争で死んだ人々の溶けた時間が
言葉と共に塩の柱になる光景が
舞台上に見えて涙が出る
自分は一度も死を想った事がない

「海の底へ沈む人間は、
          皆死にたがっていた」

自分にとっての"時間が溶ける海"は この夢の様な日常そのもので、いつだってその海に沈もうと思えば沈める場所にある

とても身近でとても深く、
既にもう一人の自分が沈んでいるかもしれない

そう考えると途端に怖くなり、
極端に大きな君の掛け声と
心を読むことの出来る君の才能だけを信じた
・今はまだ本当は死にたくないという事
・まだ自分は死んでいないはずだと願う事
この二つをわざわざ帰り道に確認し
そして願うと、何故だか身体を取り囲む幻想全てを、
幻滅させたい気分になった

誰かが死にたくて僕の海へ飛び込む時、
どんなに死が近くにあっても
死を思う事は難しい
君は幻想という殻に守られて
死を感じる事は出来ない
というたった四行の注意書きを目にして
遠くへ逃げてゆく