ドッペル原画展

救心

 

風に吹かれてふわりと浮かんだ物が真っ白で綺麗な鳥に見えた、こんなに汚い駅の汚い線路の上にこんなに綺麗な白鳥がいてそれでこんなに優しく飛ぼうとするなんて、近寄って見ると誰かに捨てられたただのゴミ袋だった

ゴミ袋は乱暴に走ってきた電車に跳ねられて死んでる、いつも何かを考えるとき私は駅のホームとか電車の中にいる、それ以外の時何も考えられない、死にたくなる時以外何も考えられない

そろそろ目をなんとかしなければならない
最近相当目が悪い
最近相当目つきも悪いし
最近相当態度も悪い、
何もいい所ない、誰かの目を見るとその人の孤独が伝染るからそれを予防しようと心がけたら人の目を凝視する癖が直った その代わり画面越しに人の目を凝視する趣味が出来てしまった
物凄く卑猥な猫、
物凄く卑猥な猫の目みたいな人間の目

いつも思ってたけど、何も凄くない
人は誰かとじゃなくてたった一人きりで孤独に戦わなきゃいけないはずだし、誰かと協力する事は辞めなきゃいけない、協調性という物を今すぐ跡形もなく殺して誰かと何かの命を創り出す事を辞めなきゃいけない

何かに誰かに騙されて無理矢理悲しむ人
あなた達には何の美しさもない、どんなに必死になったって、風に吹かれて浮かんだゴミが真っ白な鳥に見える