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ドッペル原画展

真白

 

AB型RHマイナスっぽい人
そういう人は大体絵に描かれる様な現実離れした眩しい黄緑色を好んで、その色のコートや自転車を所有している事が多いです。悩ましいのは、その色を積極的に好む人の事を私はどうしようもなく好きになってしまうという事が決まっているという事です。これは、予定説のように初めからあらかじめ決められています。その理由を聞かれても、そういう運命の星の下に生まれたとしか言えない。気付いたら私は黄緑色に反応せざるを得なくなっていたし、"黄緑色が好きというのが好きな理由なのではなく好きになった人は高確率で黄緑色を積極的に好んでいる"というその確率を正確に知る為に黄緑色に注視し、多くの人を知らなければならなくなった。

 

昔、好きだった人が筆箱を開いていたから少しだけ中を盗み見たら、MONOの消しゴム一つと同じ種類のシャープペンが四本入っていた、見事に全部黄緑色だった。同じ種類のシャープペンシルが四本も入っているという点に対して抑えきれないくらいの好意を抱かずにはいられなかった。私はバレンタインデーに真っ白なシャープペンをプレゼントしてその人が本当に嫌そうに筆箱にそれを入れるのを見た。一週間後に筆箱から真っ白なシャープペンが無くなっていたのに気付いてしまって、絶対的に大好きだと思った、でも転校したからもう会えない

 

道端で小学生が控えめなダンスをしながら控えめに鼻歌を歌っていた 揺れるランドセルに付けられたキーホルダーとその男の子の眼鏡の縁と小さな靴が黄緑色だった
それ以外は灰色だった
初めて買った補助輪付自転車も、
初めて買ったゲームボーイアドバンスSPも、 
初めて買った    も、
彼の幼少期はずっと黄緑色に囲まれていた

「どうして四本も同じシャープペンシルを入れているのか」と聞くと「とても気に入っているから、失くすのが怖い」と言って、その後平気で消しゴムは失くす

私は気に入っている物をいくつも所有していないと気が済まない不安の感じ方を全く知らない

緑のたぬきとコンビニで売っている塩おにぎりと少年ジャンプを抱えて急ぐ細すぎるサラリーマンが、それと同じ類の不安を感じて部屋に何体もお祭りバージョンの初音ミクを置いた。それでも不安で、全く同じ世界史の参考書を二十冊くらい重ねて椅子として使用している。それを見て私が不気味だと言うからもう一度「失くすのが怖い」と言う言葉が聞きたい。誰もいない仏壇だけの部屋に時々その声がこだまして、時々来る母が初音ミクのフィギュアを掃除する風景はもう見たくない

歴史の教科書に内容が増えていく
参考書もそれに対応しないと意味無いです
人に優しくなれる、黄緑色に執着すれば私は限られた人だけを大切に愛する事が出来る
でも、最近はもう色々多様化して大体の人が黄緑色の事を好きになってきているよね