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ドッペル原画展

多々

髪の毛を切りに行くのが億劫で前髪は目にかかるようになった 陰った視界のせいでふとした時に何も思い出せないような、落ち着きのない自分が居る。視界が暗いと想像する事や妄想する事も難しくなった。一体あのバンドマンはどうやって思い出を思い出しているのだろう、夏が来たのかもしれないし、もう既に過ぎていったのかもしれない。

こんな風に暑い日々は誰かからの言葉が煩い
煩くなってしまって、
何も知らないくせにとまた思う


君の中にある深い虚空の中に君の知らない誰かが勝手に落ちていく感覚を、君自身が知らない内に君の身体は勝手に感じている

この感覚が「知らない内に恋をされている、という事がどれだけ美しい事なのかあなた達には分かりますか」という話の答えだと思った

話も答えも全部自分の妄想の話で、前髪がまだ短かった頃の想像だった。思い出の言葉と思い出の映像の少しずつを切り離して一つにすると、不気味で後味の悪い夢みたいになる

幼い頃に言った言葉と4年前に行った海
受け入れられなくてあれは夢だったと思い込んでいる汚い現実 それらに吸い込まれていって、いつの間にか他人の虚空に落ちている

嫌いな人について一晩中考えてその人との情事を妄想する事が多くなった
その人の虚空の中に落ちていって、考える事を辞められない
酷い言葉と行為をされて悦ぶ自分が、気付かない内に何かを手に入れて安心している感覚はとても卑しい

思い出したくない事ばかりを積み重ねながら年をとるのが怖いのに、辞められない
誰の、何の、役にも立たない生活も

毎日の隙間の酷い悲しさと突然発作の様に襲う幸せを変則的に続けていって、その流れがいつか病気の様に身体を不安にさせていく
もう辞めたい 続ける事を