ドッペル原画展

2017-01-01から1年間の記事一覧

宴会

デニーズでサラリーマン達が宴会を開いていた。「デニーズで忘年会?!」私は多少驚きつつ、デニーズから撤退しようと決意した。彼らが楽しそうに社会性をばら撒きながら私の聖地を妨害しているような気がしつつも、忘年会の会場に〝デニーズ〟を選ぶ独特の…

正月

私が大学生だった頃、日常の大半は嫌いな人の嫌いな部分に思いを馳せていた。TVを見ながら「やっぱり嫌いだなぁ」と懐かしげに思ったり、お風呂に浸かりながら「実に嫌いだ」と若干憤りながら痛感したり、煙草を吸いながら「完全に嫌いですね」と生真面目な…

絵画

家族に監視されていて毎日苦しい 10教科中9教科がSで1つAだった。興味がある好きな事には没頭出来るというのがはっきりと分かる。反対に、興味が無い嫌いな物についてはもうどうする事も出来ない。どうする事も出来ないから、結局放置して無視するようになっ…

国境

感想を残しておこうと思っていたのに、思い始めてから約一ヶ月が経ってしまった。何故今こうして突発的に感想を書き始めたのかというと、明日から私は五日間旅に出るからだ。恐らく過酷で、後悔の多い旅になる。そして、旅の前後で周りも自分も全く異なるも…

八月

『 何かのファンになるというのはとても孤独な活動で、その活動上に見返りや満足感を決して求めてはいけない。その何かは僕達ファンに救いや希望を与えてくれるかもしれないけれど、救いや希望を与えた本人は与えられた側に何の興味も無いはずだ、本当の所は…

本の感想として曲の歌詞を書く。 「この曲は何の小説を想像した歌詞だと思う?」と聞く。 相手が答えた小説がこの歌詞の気持ちと一致した時、どれ程素晴らしい嬉しさや感動が湧き出てくるのだろう。 それらを想像すると楽しくなるのに、少し切ない。 切なさ…

宿痾

飛行機に乗っているシーンから始まり、それから約800ページ分、主人公が過去を〝回想〟し続けて終わっていく物語について。私はその物語を〈既に死につつ有る男の走馬灯〉として読むことにした。もちろん初めて読んだ時はそんな風に捻れた読み方をしなかった…

方法

わざと孤独に寄り添うと、必ず後を付けられる。思い悩んで、悲しくてどうしようも無い様な、今にも泣きそうな、今にも吐き出してしまいそうな表情すると。後を付けてきた男に話しかけられて、素直に振り返ったら、其処には小説の中から出てきた言葉が目の前…

暴力

カーテンレールに吊るして乾燥させてた花束が、不意に足元に落下した音で目が覚めた。頭から眠気が抜けていくほんの一瞬、足元に落ちた物は完璧に死体だと思っていた。夢との関係性でそういう寝惚け方をあえてしていた。私は、現実から聴こえるカラスの鳴き…

日記

( 1 )長い夢を見ている様だ。200頁の論文をA4用紙1枚に纏める事が強制になった春の水曜日から、思うように頭が動かなくなっていた。頭が思うように動かないと人間は何一つ自分の意思で行動が出来無い。脳は心であり、心は脳であるからだ。そもそも、心という…

季節

今年は何故か、夏は早く来て欲しいと感じる。「夏が早く来て欲しい」というより「夏は早く来るべきであるよね、今年に関しては」という気分。どうしてだろう、夏は嫌いなのに。一つ思い浮かぶのは、気管が洗われる様な涼しい部屋の中で、本を読んだり氷を食…

印象

私にも一応好きな空間というものが在る。それには人々が存在するべき場所としての空間と目に見えない存在としての空間の二種類があって、これからもっと種類は増えるかもしれない。 例えば私が好きな空間の一つは大学という場所だと思う。その空間の内側に在…

人魚

TVの中から聞こえる大きな歓声が苦手。 あの音は異常にうるさい、こちら側の安定をわざと掻き乱す様な悪意がある。こちら側が既に混乱している場合には更にその混乱を強めてくれる様な厚意もある。どちらにしても、TVの中から聞こえる大きな歓声の事が本当に…

嘲笑

私がゆっくり書き続けた文章の中に、 毎晩瞼を閉じる事が出来ない病人がいる。何時間か前にその病人が道端で倒れて病院に運ばれるのを見た。私はその時すごく悲しい気持ちだったのに、誰かと何年か前一緒に行った水族館の話をして無理矢理笑顔になっていた。…

真白

AB型RHマイナスっぽい人 そういう人は大体絵に描かれる様な現実離れした眩しい黄緑色を好んで、その色のコートや自転車を所有している事が多いです。悩ましいのは、その色を積極的に好む人の事を私はどうしようもなく好きになってしまうという事が決まってい…

寝室

誰の目にも留まる事の無い孤独 触れても壊れない孤独、強い孤独 生命力のある孤独、見られたい孤独 全部馬鹿にされてる恥ずかしい、命日を忘れた 大切だった事を忘れてしまえばそれはただの忘れられた記憶になって、他の忘れた記憶の重なりから取り出せなく…

救心

風に吹かれてふわりと浮かんだ物が真っ白で綺麗な鳥に見えた、こんなに汚い駅の汚い線路の上にこんなに綺麗な白鳥がいてそれでこんなに優しく飛ぼうとするなんて、近寄って見ると誰かに捨てられたただのゴミ袋だった ゴミ袋は乱暴に走ってきた電車に跳ねられ…

光國

遠藤周作の「海と毒薬」九州の病院でアメリカ人捕虜の生体解剖という忌まわしい事件を細部に描いていた。日本人がアメリカ人を捕虜にして解剖したという事件において、日本人のいかなる精神性、論理的な心理がどのように働きかけたのか、そして日本人とは一…