ドッペル原画展

2016-01-01から1年間の記事一覧

憂鬱

家を出てから駅までの道の事をもうずっと好きになれていない。長い直線、人とすれ違うと一瞬で不満感で頭が痛くなる。どうしてこんな風になるのだろうと考えれば考えるほど、早く親に「周りの親達を見ていても子供を育てるのが羨ましいとか、愛のある行為だ…

夜になると身体の奥から何かを掬い出すみたいに誰かの指がうねる その指がいつの間にか頭の中にまで届いて脳の中を掻き回すと、気分が悪くなっていく さしづめ気持ちの良い夜の中で眠りに落ちる 可笑しな化学物質が反応するまで、全部諦めて涙が出るまで、執…

奇病

時間という流れがなければ、僕は自分が少しずつ枯れていく事に恐怖を感じ、驚くかもしれない。規律のある徹底的な流れの中に存在しなければ、髪の毛が白くなっていったり、腰が曲がっていったり、皺が増えていく事に到底耐えられず、其の世から消え去りたい…

多々

髪の毛を切りに行くのが億劫で前髪は目にかかるようになった 陰った視界のせいでふとした時に何も思い出せないような、落ち着きのない自分が居る。視界が暗いと想像する事や妄想する事も難しくなった。一体あのバンドマンはどうやって思い出を思い出している…

日記

全てを見えない物に委ねるという行為は、余りにも諦めという感情に近く自分から最も遠い所にあった。遠くなればなる程心地よくなってしまい、私は全てを手放して全てを嫌いな誰かに押し付ける事だって出来そうな気分にもなれた。 見えない物に身を委ねる時に…

憑依

本当の僕について 息がしずらくなる程に部屋の隅々まで時間がありふれている時や、持て余した時間の中で何も出来ずただ変則的なリズムで息をしている間に僕の頭の中で繰り返し繰り返し問われ、空の色が濃くなった頃にはすっかり忘れている 本当の僕について…

調子が悪い一日だった 何かを食べると、自分が酷く過食している様な気がして身体の事を醜く感じたり、色々な物事を何一つ頑張りたくない気分になったりして、酷く疲れた色々な物事というのは、目の前に積み重なる押し付けられた義務 あるいは自ら望んだはず…

歯医

横になった途端に自分の身体は夜になる 明かりを塞ぐ瞼が時々痛んで、 長い器官を含めた文章が書けなくなった 思い出せばどうしても自分の事を許せない話ばかりが溢れていて気が遠くなる大きく開かされた口の中に迫ってくる知らない音楽が、奥歯のそのずっと…

乱歩

恐らくそれは気の迷いだった 遠くに在るコンビニエンスストアへ行く事を想像して歩いていると、突然目の前の電柱にぶつかって額から血が流れる それは誰かが落とした遺書もしくは結婚届あるいは離婚届を拾い勝手に何処かへ提出したふりをする事、提出するま…

ランドセルを掴まれると地面から足が離れて身体が宙に浮いた、掴まれたランドセルに自分の背中が引き寄せられるみたいにぴったりと張り付いたまま身体は何度も何度も何度も回って最後には地面に放り投げられた 宙に浮いたばかりだった足は空気を切った感覚を…

連絡

何を信じればいいのか分からない時に何かに向けて祈り願うことは時々自分の事を超えて予想も出来ない行動や言動を生み出してしまうことが在る、脳の意識が起こす予想外の生き方を第三者の目で観てしまうことも在るということを身を持って実感したと同時に、…

雑記

天国や地獄やリンボ 神様や仏様は人間が創りだした幻想で、 人魚もまたその幻想の一つ死んだら自分はリンボへ逝くと思う 死んだら魂は幻想に溶けて、 生まれ変わるために骨になりたいQ.魂という幻想は、 天国や地獄という幻想へ向かうのに 死ぬまでに過ごし…

模倣

市民は四角い箱を被っている 過去の視線はどこかに消えて 娯楽は恥になった僕は未だ恥を犯しながら人間の言葉が張り付いて、 眠れない夜を必死に守る言葉は無価値で全部不可欠 誰の言葉を借りても自由になれない天国に行きたくて 時々電車に乗る「天国は自由…