ドッペル原画展

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

反芻

「現実を良く見れば何一つ輝いているものがないのに何故其れは頭の中に長いこと居座っているのか」と思い、手首の皮膚を確かめる様に撫でる、撫でる度に頭が背後から抑えつけられながらも眼前から思い切りに殴られている様な感覚、持つ手は震えて感覚が鈍く…

幽閉

知らない旗に色を添えて僕らは国歌を歌った 街中に気高い意識が溢れると 毎晩のように明るい夜が訪れた喩えその気高い意識が 他人から盗んだものだとしても 僕らは明るい夜を謳歌する 毎晩のように息が苦しい朝、銃声に耳を澄ます 小鳥の囀りはいつでも煩く…

湯眼

誰もが皆お金を振りまいている 慈悲と慈愛の違いが分からない僕は 木の魚を食べて教会へ向かう誰もが皆お金をばら撒いていて、 僕は咄嗟に木の魚を食べる 急いで教会へ向かうと 君のタイムラインが壁一面に露呈されていて 床には僕のタイムラインが露呈され…

敬具

拝啓 夏の終わりを如何お過ごしでしょうか目眩がしそうな季節の移り変わりに貴方もそろそろ飽きてきた頃でしょうそれはそうと、どうしていつも貴方は貴方の扉を開いて右に曲がり、突き当りにある空色の扉を開こうとはしないのですか目眩がしそうな季節の移り…