ドッペル原画展

寝室

誰の目にも留まる事の無い孤独
触れても壊れない孤独、強い孤独
生命力のある孤独、見られたい孤独
全部馬鹿にされてる

恥ずかしい、命日を忘れた
大切だった事を忘れてしまえばそれはただの忘れられた記憶になって、他の忘れた記憶の重なりから取り出せなくなる それが怖かったけれど今はそれ以上に全部忘れたい気持ちで一杯

誰の記憶にも残っていない自分の存在
私のせいでリストカットした女子の集団
枠や場所だけがいつまでもそこに残る
肝心な本人は誰も知らない場所で、
誰の目にも留まらない所で、
一人でるるぶ読んだ後に全部終わったって呟く
誰も居ない夜中のフードコートに忍び込んで
一人オセロやって全部終わったねって囁く

フードコートの窓から夜空を見ると、大きな雲があった 他の誰よりも知っていた人の顔に、ゆっくりとその雲が重なって、何も見えなくなる感じの重い雲の横に、眩しく光る星がある
いつ見ても同じ所にある
毎日変化無く光っていて色々と余裕ありそうでいいよね

月にも星にも興味ない
特別綺麗だと今更思わない
誰の目にも留まる事の無い孤独
誰の目にも決して留まる事が無い光
他の誰よりも知っていた筈の、
人の声が聴こえないし
もう早くお家帰りたい

命あるものは命無いものに敵わない
命無いものは命あるものに敵わない

どちらか一方にしか傾かない、
両極端過ぎる願い事が叶ったら
それはとても気持ちの悪い神話みたいな嘘